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僕がCoinhiveに期待すること

Coinhiveについて色々なことを思ったので色々書きます。

coin-hive.com

Coinhiveとは

ざっくりいうとブラウザJSで暗号通貨を掘らせるためのサービスです。 サイトにバナー広告を設置するようにCoinhiveのスクリプトを設置することで、サイトを訪問してきた人のコンピュータを使って暗号通貨のXMRをマイニングしてそれをサイトの収入にできます。

最近の暗号通貨マイニングは専用ハードを設計して工場を立てちゃうくらいやらないとまともに収益にならないというのが一般的な認識になってると思いますが、 CPUとGPUの採掘能力に差がつきにくいXMRを対象とすることでちょっとしたマシンパワーで掘っているわりには効率がそこまでひどくないよというような説明があります。

https://coin-hive.com/#hash-rate

ただ本当にまともな収益になるかについては、ゲームサイトとか動画サイトみたいなユーザが長期滞在するようなサイトじゃないと厳しいのではないかという見解のようです。

https://coin-hive.com/#my-site

ブラウザJSで採掘させる以外にも、Captcha代わりにハッシュ計算させるとかショートカットリンクで広告を見る代わりに計算させたりという使い方が提供されています。

採掘の是非

サイトを見にきた人のコンピュータで暗号通貨を採掘すると聞くとおそらく100人中98人くらいは、人のコンピュータで勝手に儲けるとかけしからんという感想をもつと思います。 自分の持ち物(コンピュータとその電力)を勝手にサイトオーナーの通貨に変換されるのは、何か泥棒されているような感覚に近いものはあるのでごく自然な発想に思えます。

最近TechWaveでは Coinhive を使って何かできないかの実験中に間違えて利用者のマシンで採掘を行ってしまったそうです。

techwave.jp

この採掘はTechWaveに訪れた読者のみなさんのマシンパワーを勝手に使って行われたことになります。

本来は利用者の同意がある上で動作させるべきで、そのような機能の導入を検討してしまいましたが、当方の確認不足で欺くような形となってしまい申し訳ございません。

というように勝手に掘ってごめんねと謝罪を出しています。

ここで気になるのは、一般的なサイトではバナー広告は利用者の同意なしに出されますし、利用者のマシンパワーを使って実行されているという点です。

バナー広告が無断で不愉快な動きをしてUXをめちゃくちゃ犠牲にしながら誤タップを狙いに来たりすることがあるようなことを考えると、同意なしでサイトにバナーを設置するのはよくて採掘はダメという単純な判断はできないだろうと思われますし、個人的にはこれくらいの気持ちでいます。

ただ、バナーを動かすマシンパワーと採掘に使うマシンパワーは比較にならないくらい採掘の方が多いと思われるので、使われた電気の料金も確認してから判断するのがフェアかもしれません。

バナー広告へ最適化されたダメなインターネット

さて突然ですが僕はバナー広告とそれに伴うPV至上主義がとても嫌いです。昔働いていた会社でこういう経験がありました。

=== 回想 ===

僕「うちのサイトのこのページ、無駄な機能が多くて利便性が低いのでこれとこれだけこっちのページに移してサイトの構造を単純にしません?」

偉い人「うーん、そうするとPVが減るからねぇ」

僕「まあユーザの利便性を考えると無駄にページ読ませてもしょうがないので便利にしていきましょう」

偉い人「うーん、広告収益が減るからねぇ」

僕「でもついこの間これからはユーザーファーストでやっていくって言ってましたよね?収益のために不便なまま置いとくんですか?(怒」

偉い人「うーんそうだね、広告部署のKPIもあるからしょうがないね」

僕「・・・」

=== 回想終わり ===

この話は単に偉い人に話が通じないという訳ではなくてインターネットビジネスの構造的な問題だと考えていて、SPAにするとPV減るからできないみたいなのも含めて、ユーザにとってもっと便利にする方法はあるのにバナー広告PVと現状の収益が優先される結果真っ当な改善が進まないみたいなのはそんなに珍しくない話だと思っています。

ビジネスなので利益を増やさないといけない、そのためにPVを稼がないといけない、それはユーザの利便性よりも優先度が高いという状況にいろんなサイトが最適化していった結果、ニュース記事の見出しが炎上を煽りすぎて不正確だったり、嘘八百を並べただけのキュレーションサイトが粗製乱造されたり、長くもないブログ記事が2ページに別れていたりするダメなインターネットができているなと思っていて、これを根底から引っくり返すにはバナー広告とは別のビジネスモデルが必要になります。

Coinhiveに期待すること

バナー広告だと計測の方法がどうしても表示回数によってしまいPVを重要指標にせざるを得ないんですが、これが暗号通貨の採掘になると少し方針が変わります。

仕組み上採掘のスタート時にサーバーと通信するオーバーヘッドが発生するため、サイト訪問者にはページをたくさん遷移してもらうより一つのページに長く留まってもらうモチベーションが生まれます。 その結果、タイトルで煽ってクリックだけさせるサイトよりも、コンテンツが充実していてユーザが何度も再訪して長い時間を過ごすサイトの方がビジネス面で有利になり、サイトの改善がPVを増やす方向ではなく利用者に利益をもたらす方向に向くのではと考えています。

暗号通貨の採掘が市民権を得ることで、今まで誰もがクソだと思いながらもビジネスと収益を理由に許されてきた数々の悪習が適切に批判され消えていく世界に進んでくれることを期待しています。

終わりに

さてここまで読んでくださった方にお知らせがあります。

この記事を開いてから今までの間、あなたのコンピュータのCPUのほんの一部を借りて採掘を行なっていました。

CPU温度が高くなってファンが回るようなことがないようにかなりキツめに制限をかけているので、ほとんどまともに掘れていませんが、 採掘は0ハッシュ/秒で行われて、 今までに 0 ハッシュを計算しました。

以下のCoinhiveの収益計算式とざっくり1XMR = ¥10,000 というレートで計算すると、

(<solved_hashes>/29357357648) * 6.47 XMR * 0.7 = 0.000154 XMR per 1M hashes

あなたのマシンパワーからいただいた金額はおよそ 0円になります。 こちらは本記事の閲覧料としてありがたく頂戴させていただきます!

(たまに採掘の初期化に失敗して0円のままの時があるようです。リロードしてもらうと数値が変わると思うのでどれくらいの収益になっているのか是非お確かめください。)